チャンピックスも禁煙治療の特効薬ではない

禁煙を目指すにあたって、私のおすすめは禁煙外来で治療を行うことです。

しかし、やはり継続的な禁煙達成を目指すにあたって、一番重要なことは本人の意志です。

今回は禁煙外来で処方されるチャンピックスについて残念なお話しをします。

逆に言えば、チャンピックスを服用しているからと言って、気を緩めないようにするための記事でもあります。

ぜひ禁煙達成に向けて、読んでください。

もくじ

禁煙達成した後もみんなタバコ止めれている?

下の図は、

海外での禁煙補助薬で治療した方の禁煙達成の継続率を調査した試験を示しています。

海外におけるチャンピックスを使用した方の禁煙継続率を示した図になります。
JAMA. 2006 Jul 5;296(1):56-63より引用

一番上がVarenicline:チャンピックスです。

一番下がPlacebo:効果のない薬(プラセボ薬)、偽薬です。

いかに禁煙外来でがんばって禁煙を達成したとしても、

それを長期的に維持できるかどうかは本人の意志次第です。

チャンピックスを使用し禁煙を達成していた方も時間が経つと

タバコを再開してしまっている方が多くいることがこの図からわかります。

チャンピックスさえあれば禁煙継続できる?

少し先ほどの図を細かく解説します。

禁煙達成者の割合を12週目でチャンピックスとプラセボを比較した場合、

  • チャンピックスは50%程度(10人いたら5人達成)
  • プラセボ薬は20%程度(10人いたら2人達成)

(これは海外のデータであり、日本での12週目の達成者の割合はだいたい65%程度と言われているので、もともとの数値が少し低いです。)

12週目以降、すなわち

治療終了後からチャンピックスの治療達成者の割合が大きく低下しているのがグラフから読み取れます。

44週目(治療開始後から11か月)には、

禁煙達成率が50%から30%程度に低下しています。

しかし、プラセボ薬では20%から18%程度

あまり達成率に大きな変化はありませんでした。

つまり、チャンピックスによる治療は禁煙達成する可能性は高めるが、

治療終了後にタバコを再開する人も多い。

むしろ、

プラセボ薬で禁煙できた人は、そのあとも禁煙達成を継続できる可能性がある。

と、言われております。

油断は禁物です

禁煙外来は一生に1回しか受けられないものではなく、

禁煙に失敗してもまた期間が空いていれば再度受診することが可能です。

しかし、チャンピックスで治療していることを理由に

油断せずに継続的な禁煙目指してがんばりましょう。

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禁煙治療についての記事も作成しております。

ぜひ、禁煙の参考にしてください。